大沢俊介のブログ|SHITTAKA TOKYO

世の中を斜めの角度で歩く、大沢俊介の提供でお送りします。

旅は住みたいとこ探し〜短い夏の、長い福岡旅〜

      2016/09/14

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実家が自営業であったこともあって、大学に入るまで、指を折れる程度しか旅をした経験がなかった僕は、一昨年の夏、初めて国内あちこちを軽快に旅した。

近場でいうと千葉の金谷、神奈川の秦野、少し離れて長野の岡谷に京都広島。さらに離れて福岡まで。大学の休暇で、時間がたっぷりあったし、お金はバイトでうまく貯めてたこともあって、あちこちに行けたのだ。

軽快に旅をしていたのはわけがある。

一つは、当時サークルや、インターンを通じて仲が良かった人たちの大半は東京にはいなかったから。普段はSNSやメッセージツールを通じて連絡を取ることが多い人たちも、時間があればすぐに会いに行ける(そして、地方の人こそ歓迎して、おもてなししてくれたりするものだ)。時間があった僕は北海道、東北を除く地域にいる友人らにはバックひとつ持って会いに行くことにした。

もう一つ理由がある。当時、大学生だった僕は「文化人類学」という、硬い印象を受ける名前を持っている割には「人の文化を調べる」というラフなテーマの学問を専攻していた。そして、卒業論文で「人の移住」について調べることになっていたため、研究対象となる地域を決めなくてはいけなかった。

卒論で調べることにした場所は、日本でトップクラスの移住者を集める「福岡市」だった。

縁もゆかりもない、人口の流れが盛んだから、と研究対象に決めた福岡市だったが、結果として「知らない土地でも、人に出会い、文化を知ることで、第二の故郷となる可能性がある」ことを教えてくれた。

というわけで福岡に行くことにした僕は、1ヶ月後には福岡に到着し、そこでは「最高の生活」を体験した。

-福岡、うますぎる。

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(魚介新鮮メシウマ福岡)

福岡旅で一番嬉しかったことは「めしうま」ということだった。

とにかく飯がうまい。飯がうまくて、うまくて、安くて多くてうまい。肉も、野菜も、魚もなんでもうまかった。

旅してるんだから、そのせい。と思うかもしれないが、そうではない。

福岡は九州、四国中国、アジアの貿易の要衝である。それらの地域で生産された肉、魚、野菜たちは福岡を経由して全国に配送されるのだ。だから、福岡の飲食店に降りてくる食べモノは新鮮な食べモノが多い。

それに、東京に比べると物価も安い。価格は変わらないのだが、同じ金額でも東京よりも量が多い。

食事のたびに幸せだった。なんてことだ。

もうひとつ、実家は神奈川、暮らしは東京の僕には「名物」というものに無縁だった。

しかし、福岡には「名物」が多い。明太子にゴボ天にもつ鍋、とんこつラーメン。他にも「え、なにこれ、こんな美味しいものが普通に居酒屋に転がってるんですか?」と言えるものが大量にあった。(もしかしたら福岡名物じゃないものも含まれているかもしれないけど)

昼ごはんにふらっと食べる食事、夜ごはんに知り合った人たちと囲む食事、飲んだ後に屋台で食べるラーメン。どれも最高。至福だった。

-観光なんて気分じゃない

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(福岡ドーム前、橋で撮った一枚)

旅といえば、観光もするし、旅の楽しさは観光地の楽しさと同義にとられていることも多いと思う。

だけど、福岡では観光地にはいってないし(たしか行っていない)、そういう旅はあまり好きではない。

どちらかというと、その土地の文化や歴史、風習を調べたり、知ること。どういう人たちが、どういう風に暮らしているのか、を知ることに魅力を感じるのだ。それには文化人類学が影響しているかもしれないが。

だから、ということもあってか、街を歩き、福岡の人々が生活するように過ごし、何よりいろいろな人と知り合い、いろいろなことを聞いた。

福岡の地理関係ーなぜ博多天神の間には中洲があるのか、福岡の人たちはどういう風に遊び、移動するのかーをはじめ、食事の作法、飲み方、家賃、進学先、考え方、など詳しく詳しく、聞いた。(調査のため、でもあるが、九州初上陸の僕はいろんなことに関心があった)

特に印象に残っているのは、なんで福岡に住んでいるんですか?と聞いたら全員が口を揃えて「福岡はコンパクトだから、都会的な部分と、ちょっと移動するだけですぐに自然にも触れ合える。東京とか他の都市と比べて生活がしやすいし、仕事も楽しいんだよ」と、生活のしやすさ、仕事のしやすさを教えてくれたことだった。

それに、福岡の人は東京に人以上に福岡を愛していて、福岡の歴史に詳しい人が多いことも印象的だった。

-福岡は生活するように旅したい土地

福岡は、誰もがパッと思いつく有名な観光地はない。太宰府とか福岡ドームとかあるかもしれないけど、若者が行くような感じでもないし、あんまり観光っていう感じではない。

ただ、福岡は「生活するように旅する」ためには最高の土地だと思っている。

飯もうまいし宿も安い。中洲の屋台で2時まで飲んでも、天神のホテルまでタクシーですぐだから、夜更かしもしやすい。それに東京ほどタクシーも高くない。

自然を楽しみたいと思ったら糸島まで出かければすぐに自然を謳歌できるし、少し調べれば有名な寺社もたっぷりあって、旅気分も味わえる。

僕が今までした旅の中で、土地を味わって、気持ちよく、生活するように旅ができるのは、今のところ、福岡くらいだった。

 

福岡に行ったことで、住みたいところが増えた。

「旅」と聞くと、一瞬の、儚い記憶をつくるようなイメージがあるけど、この短い夏の、ほんの1週間の旅は住みたいと思える場所が増える、自分の中に福岡が生きる旅だった。

これからの旅も、住みたい地域、会いたい仲間を増やせる、そんな短くも長い、旅にしたい。

94年2月生まれ、雑司が谷在住のフリーランスライターです。レオパレス21やヤフーのオウンドメディア、テッククランチでのライターをやっています。あとはIoT/DIY/ライフスタイルなど幅広めの連載をやったりしています。エッセイスト志望
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