大沢俊介のブログ|SHITTAKA TOKYO

世の中を斜めの角度で歩く、大沢俊介の提供でお送りします。

「独立おめでとう」に対する違和感。独立しなくても自分なりの生き方ができればいい

   

Pocket
LINEで送る

(近所の猫)

「独立おめでとう」

という言葉に何か違和感があった。

大手企業に勤めて、実力を高めた上で念願の独立を果たしたのであれば、もしかしたら「めでたい」のかもしれないが、下積みをしたわけでもない僕には、独立はめでたいわけでもない。わりと辛い道だと思っている。

その上で、「独立したい」と漠然と思っている人も見かけた。明確に目的があるならいいと思うが、会社に入ったほうがいい人生を送れる可能性は高いと思う。いい人生というのは、それぞれの指標次第だが、その指標を満たせる可能性が高いという意味だ。

まあ、自分がオーナーとして仕事をすることができて、自分が決めたことや起こした行動が本当にダイレクトに人生に影響するという点は、やはりフリーになる面白みだと思うから、僕自身は満足しているのだけれど。(ただ、目的を達成するためには会社に入る選択もするかもしれない)

フリーランスになって5ヶ月。別にフリーランスにならなくてもいい人生って多いな。と自分なりに考えるようになった経緯を書きたいと思う。

フリーランスになる必要ある?

フリーランスになってから、これまで会ってきた人とは違う層の人たちと会う機会が増えた。IT界隈というよりもライター界隈、あるいはライターとして受けた仕事の周辺業界の人たちと会うようになった。自然と会う人たちの幅が広まり、様々な思想を知るようになった。

その中でも特に「なんでフリーランスになったんですか」という話を聞かれたり、逆に「どういう働き方をしていくのか」と聞く機会も多かった。仕事としての書きものも「働き方」がテーマのものが多いから、「キャリア形成」的なものの考え方はかなり深まったと感じる。

その中で感じたのは「主体性を持って働くこと」や「個人の力を伸ばして、将来の残高にすること」、あるいは「自分のやりたいことだけをやって仕事を進めること」は、フリーランスになるとやりやすい風に見える(少なくとも世間知らずな僕にはそう見えていた)が、企業に所属していてもできる、ということだった。

ある人は、有名な日系大手で働きながらにして自分の自由な働き方を確保している。もちろん成果は出すし、スキルも磨く。その上で大手のリソースを使い倒して、自分に還元している。サビ残はしないし、すぐ帰る。合理性を突き詰めた働き方と成長を両輪で実現している。

一方で、スタートアップやベンチャーに所属している人たちも、自分のやりたいことをやることができる環境を作って、自分のスキルに還元しつつ、会社への成果も残している。

企業にいることで「キャリア形成」的なメリットがある

でも企業の中にいる方が制約(就業時間や規則など)が多いと考える人も多いと思うが、そういう制約の問題以上に「キャリア形成」「スキル向上」「リソース」という点で企業に所属することは明確にメリットがある。

わかりやすいところでいうと「ヒト・モノ・カネ」は企業にあれば使える。それらを使った事業の回し方や成長のさせかたは、フリーランスで経験するのは非常に難しい。また、1回1回の業務に対する姿勢もフリーランスの方が保守的になりやすい。挑戦が失敗すれば仕事がなくなるから、そういうリスクを避けようと必死になる。また、行きたい講座があっても予算も自腹。移動も自腹だ。

また「キャリア形成」という視点ではこういうメリットがある。会社に所属しているライターとして記事を書いているとする。横に座っているのはインフルエンサーのAさん。いい記事を書いたらAさんが拡散してくれる可能性があって、結果として自分の影響力を増すことができる可能性が高い。

一方、フリーランスの無名のライターが記事を書いたとき、無条件に拡散をしてくれる人はいない。いい記事を書くことをする一方で、「応援してくれる人を見つける」ということさえも必要なアクションに含まれる。

「いい記事を書く」「拡散してくれる人がいる」という2つの条件を、会社に所属していることによって、1つパスできるのだ。(もちろん実力とかその人の魅力とかは必要だし、コネって言いたいわけではない)

何もない土壌で戦うというのは、そういうリソースを活用するための準備さえもすべて自分でやらないといけないということになる。大変だと思う。

そういう状況を見ていると、別に全員がフリーランスになって「自由に働く」必要なんてないと思うし、みんなは自分の生き方に真摯に向き合って、自分の人生を最適化しやすいような環境を、企業の中で見つけられるほうがいいのではないかと思う。

「成果主義」が自由な働き方を助長する

というわけでフリーランスになるよりも「いい働き方」ができる方法はあると思うのだが、「自分の権利を持つ働き方」はする必要があると思う。会社内でガチガチに縛られて、キャリアアップもしにくくて、プライベートも削られて、とかだと辛いものがある。(欲しい権利は個人差があると思うが)

そこで「自分の権利を持つ」働き方をするために、必要だと考えているものも書いてみる。それは「成果主義」であるということだ。

大手でもベンチャーでもフリーランスでも、「成果を出しているから自由にさせてくれ」という論調が必ず必要だ。成果を出していれば文句は言われない。そういう文化や風土がある会社に入るか、あるいはそういう環境を自ら作り出す必要がある。成果を出している前提があれば、企業はバックアップしてくれる。

もしそういう環境が作れないのであれば、転職を考えてみてもいいかもしれないし、あるいは独立もやぶさかではないのかもしれない。(ただ、変える努力は事前にしてから転職したほうがいい)

そもそも、日本の社会も個人事業主のかたまりで、商売人たちは独立して過ごしていたはずだ。会社員になることは権利が保証されていたり、働きやすいから普及したわけだし、そこからみんながフリーになろうぜなんて無茶な主張でさえあると思う。だからこそ、その権利は活かして、その上で自分がなりたい像に近づける選択をしさえすればいい。

94年2月生まれ、雑司が谷在住のフリーランスライターです。レオパレス21やヤフーのオウンドメディア、テッククランチでのライターをやっています。あとはIoT/DIY/ライフスタイルなど幅広めの連載をやったりしています。エッセイスト志望
Pocket
LINEで送る

 - オオサワ, 働き方 ,