大沢俊介のブログ|SHITTAKA TOKYO

世の中を斜めの角度で歩く、大沢俊介の提供でお送りします。

深夜のバーで出会うジャズだけがジャズじゃない、アニメ「坂道のアポロン」

   

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深夜2時を回った頃、僕は一人、下北沢のバーにいた。飲み会が終わって少し飲み足りなさを感じたから、普段歩かない道を歩いて、通りにあるバーをのぞいているうちに、そのうちの1軒に引き寄せられてしまった。

沢木耕太郎「バーボンストリート」が愛読書である僕は、今日もマスターにオススメのバーボンを聞いて、注文をする。バーボン初心者の僕が今日飲むのは、ハーパーの12年物。舌触りも軽く、飲みやすい。

バーボンというのはアメリカで生産される、コーンウイスキー。トウモロコシベースだから、なんとなく甘みがある。バーボンを数口飲んだところで、店内には、ジャズが流れていることに気づいた。

流れているのは「Moanin’」、ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーが1985年に発表したアルバムに収録されている、有名な曲だ。

気分よく聞いていると、無意識に微笑んでいたそうで、隣にいる女性が笑いながら話しかけてくる。

「ジャズ、お好きなんですか?」

* * *

ジャズとも、バーボンとも、こんなおしゃれな出会いには憧れる。しかし、ジャズとか、バーとか、そこまでハードルの高い出会いはしなくてもいい。

僕の場合、ジャズと出会ったのは「BLUE GIANT」という漫画だったし、より親しんだのは「坂道のアポロン」というこれまたアニメだった。

好きになるきっかけなんてなんでもいいし、大事なのは自分が好きなものをどう楽しむか、だけだ。

しかし「坂道のアポロン」のおかげで、今はバーが楽しい。

* * *

余談だが、ジャズ漫画の「BLUE GIANT」は、「」を描いた石塚真一がジャズを題材に作り上げる物語だ。「漫画なのに、たしかに音が聴こえる」といっても過言ではないくらいの描写と展開が引き込まれる。主人公の大はジャズでプロを目指す。その過程もスポ根っぽさを感じて魅了される。

一方、「坂道のアポロン」はプロを目指さない。

彼らは日常にジャズがある。それでいて特別で、生活を豊かにするものとしても愛している。

物語は普遍的なものだが、それにもかかわらず魅了されるのは、僕たちは日常にジャズがある世界に魅力を感じてしまうからか、作中で流れるジャズが魅力的だからか、おそらく両方なのだと思うが。

音楽が好きとかにかかわらず「プロにならないで愛する」という付き合い方も、人生を豊かにするものだと感じた。

アニメ「坂道のアポロン」

「坂道のアポロン」は、2017/05/05時点で確認するとNetflixHuluAmazon プライムビデオ(レンタル)で見ることができる。

サウンドトラックは「Spotify」に収録されている。

Huluより)

石塚真一「BLUE GIANT」

Amazonより)

94年2月生まれ、雑司が谷在住のフリーランスライターです。レオパレス21やヤフーのオウンドメディア、テッククランチでのライターをやっています。あとはIoT/DIY/ライフスタイルなど幅広めの連載をやったりしています。エッセイスト志望
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